【デザイン会社社長がお答えします】制作会社の営業ってどうやっている?

2020.3.15

デザイン制作会社は少数精鋭になることが非常に多いので、営業=社長オンリーになる事も珍しくありません。むしろほぼそんな感じだと思います。
そして、そもそもデザイン会社の社長はデザイナー・ディレクター上がりが多いので、作ることは得意でも基本的に営業が苦手なものです。

本日は、そんなフリーランスや小規模なデザイン会社を経営している人、その予備軍に向けて、現役デザイン会社代表が【営業の手法】について書いてみたいとおもいます。

そもそも我々制作会社には目で見てわかるような「売る商品」はありません。受託業なので、「私たちに仕事を任せてください」というスタンスなんですよね。専任の営業がいてもなかなか難しいのが現実です。

それでは、我々にどのような営業手段があるのでしょうか。

直接的なプッシュ型のマーケティング手段

いわゆる営業活動になりますが、制作会社という職業柄、この手の営業は向いてないかもしれません。なので成功率としては低いかもしれません。

飛び込み営業 ☆☆☆☆☆

おそらく全く効果は得られないんじゃないかなと思います。
あるとすれば、個人規模で決定権のある人に直接会える相手であれば可能性はあるかもしれませんね。

電話営業 ★☆☆☆☆

こちらも相当厳しいと思います。大半は迷惑がられて終わると思います。
ただ、私のお客さんで、電話営業をバシバシやってweb案件を取ってくる会社があります。受注できたその案件の制作を外注で弊社に出すという流れ。元々は、OA機器のメンテナンスなどをやっている会社さんで、営業電話は得意中の得意という会社さんでしたので出来るんだなと思います。
ある意味、我々にはないスキルを持ってて羨ましい限りだなと思います。
ただやはり、個人事業でやってる商店のようなお客さんが多く、単価の良い仕事はなかなか取れなそうなイメージでした。

メール営業 ★★☆☆☆

実は少しだけ効果があります。と言ってもあまり積極的にやってないので、そこまでオススメできませんが、1000通(お問い合わせ)も出せば、2,3件アポが取れるかもしれません。ただ手当たり次第では意味がないので、ターゲットを絞って、効果の得られそうな場所にお送りするようにしましょう。
アポが取れればあとは実力次第。準備とコミュニケーション能力が問われますので頑張りましょう。

DM営業 効果不明

正直やったことないんですが、試しに地元密着型でポスティング営業でもやってみようかなと実は思っています。
あまり効果は期待できないですが、駅周辺の商店街などに重点的にやってみようかなと。そうでもしないと全く接点を持つことができない業種もあるかもしれないからです。たとえ成功したとしても、直接大きな仕事が得られることはないと思います。
やったら報告しますね!

営業代行 効果不明

こちらも正直使ったことがないのでわかりませんが結構高額です。よく営業電話が来るんですが、どんな、手法で営業するんでしょうね。
営業代行会社も多くありますので、もしやるなら制作会社に合うところを探しましょう。
ちょっと見えない部分が多くて怖いですよね。今度調査してみます。
何はともあれ看板預ける行為となるので用心しましょう。

WEB戦略でプル型のマーケティング手段

こちらは、施策を打ち反応を待つパターンです。制作会社のマーケティングでは王道でしょうか。

WEBやアプリ広告 ★★★☆☆

多少の効果は見込めると思います。
web広告としては、リスティングやバナー広告などがありますが、googleやFacebookなど手っ取り早く効果もあるかと思います。ただ、費用はおおきくかかると思いますし競合は多いです。

サイト登録 ★★☆☆☆

無料のリンクサイトなど、登録できるものはしましょう。有料も場合によってはありです。
とにかく露出を増やすには有効な手段です。また、SEO的にも被リンクが増えることは有効です。直接的な影響は少ないかもしれませんが、やっておいて損はないと思います。

自社メディアの構築 ★★★☆☆

自社サイトやサービスを強化して、メディア化して検索順位をあげていく手段です。
LIGなどはこの手法で大成功していると思います。
技術が強ければ技術ブログを書くなど、デザインのうんちく、体をはったエンターテイメントなど分野はいろいろあるので、はじめやすいでしょう。
こちらのデメリットは成果がでるまで時間がかかること。またコンテンツを作る手間や時間、アイデア、SEOの知識などが必要になるということでしょうか。

マッチング型マーケティング

最近はこのような手法が増えて、新しい仕事への壁が低くなってきています。個人や、副業の人も多く参入しています。しっかりと差別化をしないとレッドオーシャンに巻き込まれますので注意が必要です。

ランサーズ・クラウドワークス・ココナラなど ★★☆☆☆

フリーランスや、副業の方が多いマッチングサイトです。
特にフリーランスには一定の効果はあると思いますが、正直言ってスキルのあるデザイナーや、経験豊富な方、それなりの会社にはちょっと向きません。どちらかというと内容よりも金額が求められるので、どうしても価格勝負になります。また、かなりの登録者数がいるのでどうしても多数の応募があり横並びで比較されます。なので完全レッドオーシャンの中で戦うことになるので、疲弊してしまいます。
まだ駆け出しの方にはよいと思いますので、こちらで経験をつけて早く次のステージに進めのが良いかもしれません。

法人用マッチングサイト ★★★☆☆

Web幹事、ウェブタメ!、アイミツなどがあります。ランサーズやクラウドワークスなどとは違い法人用なので、仕事の規模感も少し大きくなります。
大きな違いは、年間契約となり掲載するだけで費用がかかる形となっております。
なので、仕事が発生しなくても費用がかかるので、やや負担が大きいです。
1年間、掲載経験がありますが、案件獲得はなかなか難しいです。基本的にコンペ形式となり、案件ごとに数社〜数十社入札します。内容はケースバイケースになりますが、それなりの提案をその時点で要求されますのでそこそこ時間をかける必要があります。
が、結局発注側の企業がどこにも仕事を出さずに終わるということがよくあり、反省点や改善点も見つからず、もはやただの時間の無駄になることが多いです。企業側としては、アイミツ相手に利用、とりあえず様子見、良い提案は取り入れて自社で作る みたいなことが横行しているようで、あまり良いとは思えません。
ただ、それでもうちはあまり参戦しなかったにも関わらず一定の対価は得れました。(元を取るくらいですが)

直接的な営業手段ではないけど、人となりを増やそう

すぐに仕事に結びつくことは少ないですが、仕事以外の友人との遊びやお付き合いにもたくさんの可能性があります。常に意識しておくことがとても重要です。

交流会や勉強会などコミュニティに参加する ★★★☆☆

様々なところで、勉強会など行われています。大体の場合は、その後懇親会など行われますので、参加してみると良いと思います。
異業種交流会みたいなものもよくやっていますが、ビジネスの出会いを求めている大きめな交流会はちょっと厳しいです。
独立当初は何度か行ってみましたが、名刺が増えるだけで結果に繋がったことがありません。
勉強会やコミュニティで趣味などを通して出会う方がよりよい出会いになろように思えます。

オンラインサロンに入る ★★★☆☆

某有名サロンに入っていたことがあります。積極的に活動すればよい出会いは多いかもしれません。みな前向きな方が多いとおもいます。
私はあまり活動してなかった割には仕事で繋がった方もチラホラ。向いてそうなサロンがあれば試しに入ってみるのも

ビジネスマッチングアプリを利用する ★★★☆☆

ビジネスで繋がりたい人って結構いて、アプリで気軽にマッチングできます。
すぐに仕事に直結することはなかなかないと思いますが、さらっとお知り合いを増やすことができます。交流会などと違い、出会いたい相手としっかりと時間をとって交流することができるので、時間の無駄になることが少なくておすすめです。

懐かしい人に連絡をとる ★★★★☆

正直言って目上の人に連絡をするってみなさん苦手ですよね。でも私は全然苦手じゃないんですよね。例えばお世話になった会社の上司や、社長、取引先などなど。相手はあなたから連絡がきたら嬉しいはずです。私は、過去の後輩や部下から連絡がきたらとても嬉しいと思うからです。
単純に久しぶり会ってお茶でもしたいなと思う人に「ご無沙汰しています!最近どうですか!?」と下心なしに連絡を取ってみましょう。思わぬ仕事の話になることもよくあります。

人の紹介 ★★★★★

結局のところ、一番多いのはこれです。
ちゃんとした仕事ができていて、コミュニケーションがしっかり取れていれば、自ずと仕事は広がります。
ただどうしても受動的なものなので、頼みやすい、声をかけられやすい、紹介しやすい、そんな状況を作っておくことを心掛けましょう。
例えば、忙しいとかあまり言わない、クライアントの愚痴などをあまり言わない、スピーディで気の利いた仕事を心がける、などなど準備出来ることは山ほどあります。

まとめ

色々検証してきました。
もうすでに結論に至っているかもしれませんが、結局は人と人の繋がりが一番重要です。
もちろん、腕が認められ、仕事が増え、独立を考えている訳ですから、ある程度のコミュニケーションスキルは持っていると思います。
しかし、仕事を増やして行こうと思うのであれば、フットワークを軽くして、仕事とプライベートは別なんて言わないで、多くの人と接するようにしましょう。きっとこれが一番の営業です。